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『地を這う捜査』を読んだ [読書]

・雑誌『読楽』の警察小説アンソロジー。6人の作家の短編集。
・こういう傑作選的な本、お得感があって結構好きだ。
・ただし自炊した時にどのフォルダに入れればいいのか悩むのが玉に瑕。

安東能明「密室の戦犯」
・死後数日経った死体が鍵のかかった部屋で発見された。果たして死因は自殺か、それとも。
・『神村五郎』モノ、らしいのだけど、yogiさんそれ知らないからあまり楽しめなかったなぁ。高校教師から転職してきた変わり者だけど有能な刑事、らしいのだけど。

河合莞爾『また会おう』
・数年前に発生した連続殺人事件。直接の捜査から外された高山竜一だが、妻や部下のサポートもあって真実に近付いてゆく。。。
・ストーリー構成のトリックは結構始めの方でわかってしまうんだけど、まぁおもしろいからいいや。本筋はそこじゃないし。

佐藤青南『交通鑑識官』
・雨中で発生したオートバイの単独事故。しかし不自然な逆走、異常ともいえるスピード。雨は証拠を刻々と流してゆく。果たして事故か事件か。交通鑑識官杉浦が挑む。
・『警察24時』系テレビ番組でお馴染み、交通鑑識官が主人公だ。
・技術向上が著しい鑑識捜査の一端が垣間見られて、興味深い。

日明恩『山の中の犬』
・生活安全部生活経済環境中隊に所属する『私』は山の中でカメラを構え、容疑者をひたすら待ち続けている。そこに現れたのは一匹の犬。。。
・シリアスな警察小説がほとんどだけど、本作はユーモラスで微笑ましい作品。しかしそこでも犯罪は確かに発生しているのだ。
・『生活安全部生活経済環境中隊』、産業廃棄物の不法投棄などを取り締まる部署だそうで。
・著者、"たちもりめぐみ"と読む。読めるかぁ

葉真中顕『洞の奥』
・まっすぐで、常に正しい父に憧れ同じ警察官の道を選んだ熊倉清。しかし父、熊倉哲はある日行方不明になり、数日後崖下で遺体となって発見された。父に任されていた密命。果たしてこれは事件か事故か。。。
・父の無念を娘が晴らす、ようなストーリーかと思いきや。。。
・すごいサイコサスペンスだ。ゾクッとする。
・これは、ものすごく面白い。本当に面白い。yogiさん単純だから作者の期待通りにミスリードにミスリードを重ねてしまった。でもこの『やられたー』感がいいのです。
『ああそうか、信じている人に裏切られたときは、こうすればいいんだ。』

深町秋生『卑怯者の流儀』
・暴力団から便宜をはかってもらっていた不良刑事米沢は、その暴力団員である浦部から人探しを頼まれる。手付金の100万円を使い、米沢は犯人に近付いてゆくのだが。
・本書は彼が載っていたから読んでみたのです。
・暴力描写は抑えめ。あと短編だから描写が駆け足気味。


地を這う捜査: 「読楽」警察小説アンソロジー (徳間文庫)

地を這う捜査: 「読楽」警察小説アンソロジー (徳間文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2015/12/03
  • メディア: 文庫



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