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『暗殺者の惑星』を読んだ [読書]

・マイク・レズニック著、小川隆訳

・SF小説だ。
・惑星ワルプルギスIIIでは、様々な宗教が乱立していたが、共通しているのはすべて悪魔崇拝であるということ。その惑星に、多くの星で人類を『ただ殺し続けた男』、コンラッド・ブランドが流れつき、この星でもまた『ただ殺し続けて』いた。彼を脅威に感じた共和国は天才暗殺者・ジェリコにブランド殺害を依頼する。ジェリコはワルプルギスIIIに乗り込みブランド暗殺準備を進めてゆく。一方でジェリコの動きに気付いたワルプルギスIIIの刑事・ジョン・セイブルは『ただ法の順守のため』にジェリコを追跡する。。。

・『3,300万人を殺し、今なお多くの命を"ただ"奪っている男』、コンラッド・ブランド。しかし、彼を殺すために犯す殺人は犯罪か。
・大量虐殺者が悪で、彼を殺そうとする人間が正義だったら、その正義の暗殺者を阻む刑事、ジョン・セイブルは正義なのか、悪なのか。

・各章冒頭のコンラッド・ブランド名言集がすごい。
ひとり殺せば殺し屋でしかないが、数百万人を殺すものは征服者となり、ひとり残らず殺すものは神となる
殺人とは単なる感情の爆発でしかないが、大量虐殺ともなれば芸術である
悪に味方はなく、それゆえ悪は忠誠を気にかける必要がない
サタンとの契約を結ぶつもりなどない。自分より劣る相手は必要ないからだ
もしあと一時間しか生命がないといわれたら、まずまっ先にそういった男を殺してやる
もし血の色が緑だとすれば、わたしの好きな色は緑になるだろう


・すっごく面白かったけど、おおっぴらに『面白かった』って言うと、ちょっと精神を疑われてしまいそうな本ではあります。
・残酷描写などに隠れがちですが、伏線はちゃんと回収されてるし、トリックもふんだんに散りばめられてるし、ストーリーもきちんとしています。さすがヒューゴー賞作家です。


暗殺者の惑星 (新潮文庫)

暗殺者の惑星 (新潮文庫)

  • 作者: マイク・レズニック
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1985/04
  • メディア: 文庫



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