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『雑食動物のジレンマ』を読んだ [読書]
・マイケル・ポーラン著、ラッセル秀子訳
・『なんでも食べる』現代(アメリカ)人の食を問う一冊。
・昨年観た『キング・コーン(とうもろこしの国を行く)』というドキュメンタリーで知った衝撃の事実。アメリカは『小麦の国』だと思ってたら、実は『トウモロコシの国』だった(アメリカは世界の4割のトウモロコシを生産している)。
・食糧不足対策でトウモロコシ生産に補助金をアメリカ政府が出す → 損はないから農家はこぞってトウモロコシを作り始める → 市場で暴落して逆ざやになっても補助金が出るからどんどん作る → 単位面積当たりの収穫量を増やすために一代雑種の種を買い、化学肥料を使い、高額の農機具を使う → どんどん収穫されてトウモロコシがダブつく → 本来トウモロコシが使用されていなかった分野にトウモロコシが進出してゆく。家畜の餌、コーンシロップ、コーンスターチ、接着剤、自動車燃料(バイオエタノール)...
・しかも作付してるトウモロコシのほとんどは工業用・飼料用だから人間は食べられない(すごいまずい)。辺り一面見渡す限りトウモロコシなのに『食べられるものがない』、砂漠と一緒という不思議世界。
・トウモロコシを餌にすると牛はどんどん大きくなる。草を食べさせるよりずっと早く成長する。でも本来牛はトウモロコシを食べるような内臓にはなっていないから病気になりやすい → それを抑えるために餌に抗生物質を混ぜる → きちんと汚水処理がされないまま抗生物質入りの排泄物が川に → 抗生物質入りの水で育った魚が発生 → その魚、大丈夫?
・そこからアメリカのトウモロコシ産業に興味が湧き、本書を手に取ったというわけです。
・『雑食動物のジレンマ』とは何か。人類はなんでも食べる雑食動物。本来消化できなかったり毒だったりしたものも火を使ったり水で洗ったりして食べられるようにし、そのことを言語を使って伝承してきました。でも雑食動物の『なんでも食べられる』は『食べたら死ぬかも』という不安と常に背中合わせ。食べられるものが増えればそれだけ生存確率は上がる、でもこれ、食べたら死ぬかも、という。
・逆にユーカリしか食べないコアラや桑の葉しか食べないカイコは『単食動物』・それしか食べられないけど、食べ物があるかぎりは何も悩む必要がない。
・あと『雑食動物』というのは『知的好奇心が旺盛でなんでも学ぼうとする』という意味もあるそうで。そういう意味で、『いろいろ知ってしまうと食べられなくなってしまう』という意味でもあるのでしょうかね。『残酷な畜産の現状』に抗議するためにベジタリアンになったり。
・トウモロコシ産業を調べ、工業的畜産業に潜入し、工業的オーガニック農業と原理主義的オーガニック農業を体験し、ベジタリアンについて思いを巡らし、最後に著者はすべての食品を自分で取ってくる『完璧な食事』を作ろうとします。狩猟講習からスタート。そこでノブタを撃ち、キノコを取り、アワビを獲って海水から製塩して見えてきたものは。。。
・アメリカで日本の『普通の食事』をするのは大変なのだろうか。そこらへんは『訳者あとがき』で軽く触れられています。
・『目の前にあるこれは、食べていいのか?』。この本に答えは書いてないけど、考える端緒にはなるのではないでしょうか。
・『なんでも食べる』現代(アメリカ)人の食を問う一冊。
・昨年観た『キング・コーン(とうもろこしの国を行く)』というドキュメンタリーで知った衝撃の事実。アメリカは『小麦の国』だと思ってたら、実は『トウモロコシの国』だった(アメリカは世界の4割のトウモロコシを生産している)。
・食糧不足対策でトウモロコシ生産に補助金をアメリカ政府が出す → 損はないから農家はこぞってトウモロコシを作り始める → 市場で暴落して逆ざやになっても補助金が出るからどんどん作る → 単位面積当たりの収穫量を増やすために一代雑種の種を買い、化学肥料を使い、高額の農機具を使う → どんどん収穫されてトウモロコシがダブつく → 本来トウモロコシが使用されていなかった分野にトウモロコシが進出してゆく。家畜の餌、コーンシロップ、コーンスターチ、接着剤、自動車燃料(バイオエタノール)...
・しかも作付してるトウモロコシのほとんどは工業用・飼料用だから人間は食べられない(すごいまずい)。辺り一面見渡す限りトウモロコシなのに『食べられるものがない』、砂漠と一緒という不思議世界。
・トウモロコシを餌にすると牛はどんどん大きくなる。草を食べさせるよりずっと早く成長する。でも本来牛はトウモロコシを食べるような内臓にはなっていないから病気になりやすい → それを抑えるために餌に抗生物質を混ぜる → きちんと汚水処理がされないまま抗生物質入りの排泄物が川に → 抗生物質入りの水で育った魚が発生 → その魚、大丈夫?
・そこからアメリカのトウモロコシ産業に興味が湧き、本書を手に取ったというわけです。
・『雑食動物のジレンマ』とは何か。人類はなんでも食べる雑食動物。本来消化できなかったり毒だったりしたものも火を使ったり水で洗ったりして食べられるようにし、そのことを言語を使って伝承してきました。でも雑食動物の『なんでも食べられる』は『食べたら死ぬかも』という不安と常に背中合わせ。食べられるものが増えればそれだけ生存確率は上がる、でもこれ、食べたら死ぬかも、という。
・逆にユーカリしか食べないコアラや桑の葉しか食べないカイコは『単食動物』・それしか食べられないけど、食べ物があるかぎりは何も悩む必要がない。
・あと『雑食動物』というのは『知的好奇心が旺盛でなんでも学ぼうとする』という意味もあるそうで。そういう意味で、『いろいろ知ってしまうと食べられなくなってしまう』という意味でもあるのでしょうかね。『残酷な畜産の現状』に抗議するためにベジタリアンになったり。
・トウモロコシ産業を調べ、工業的畜産業に潜入し、工業的オーガニック農業と原理主義的オーガニック農業を体験し、ベジタリアンについて思いを巡らし、最後に著者はすべての食品を自分で取ってくる『完璧な食事』を作ろうとします。狩猟講習からスタート。そこでノブタを撃ち、キノコを取り、アワビを獲って海水から製塩して見えてきたものは。。。
・アメリカで日本の『普通の食事』をするのは大変なのだろうか。そこらへんは『訳者あとがき』で軽く触れられています。
・『目の前にあるこれは、食べていいのか?』。この本に答えは書いてないけど、考える端緒にはなるのではないでしょうか。
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