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『東京ダモイ』を読んだ [読書]

・鏑木蓮著。
・第52回江戸川乱歩賞受賞作。
・舞鶴で発生した殺人事件。戦中のものらしき遺留品。真実はかつてのシベリア抑留の悲惨な記憶とともに明らかになる。。。

・シベリア抑留モノだ。
・主人公、槙野君は自費出版本の編集者だ。『夢を売る男』に続いて主人公がまた自費出版社員だ。

・本筋は舞鶴の殺人事件になんとなく巻き込まれたへっぽこ編集者(途中から有能になる)槙野君の推理事件簿。彼に出版を依頼してきた人が書いたシベリア抑留記/句集が挿入される。

犯人に動かぬ証拠を突きつけるシーンが熱い!!燃える展開!!土曜ワイド劇場だったら10時38分頃のシーンだ。布石の回収にもなっている。よくシナリオが練られている印象。

・俳句の同好会が作られるのは『ラーゲリから来た遺書』と同じだ。
・シベリア抑留事件の際に使用された凶器についてはちょっと疑問が残る。ホントにその凶器で斬首できるのか?

・シベリア抑留という歴史的重大事件をを推理小説という形で提示した作者は実に意欲的。おもしろかった。

・ミステリー小説はチェスみたいなもので、序盤にいろんな駒がテーブルに置かれ、それらが動かされ、事件が起こり、最終的に解決したりしなかったりする。でも新人賞作品って、思わせぶりに盤上に置かれた割には最後まで全く動かなかったなぁ、という駒がある。本作であれば主人公の妹がその典型だ。



東京ダモイ (講談社文庫)

東京ダモイ (講談社文庫)

  • 作者: 鏑木 蓮
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/12
  • メディア: 文庫



東京ダモイ (講談社文庫)

東京ダモイ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/12
  • メディア: Kindle版



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