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『原子炉の蟹』を読んだ [読書]

・長井彬著。
・千葉県にある関東電力九十九里原子力発電所原子炉建屋で人が死んだという噂が立った。同時期に原発作業員の下請け会社社長が失踪したという情報が。やがてもたらされる社長自殺の報せ。果たして社長は自殺なのか、建屋から消えた死体はどこへ消えたのか?原子力発電所を舞台にした密室ミステリー。

・福島第一原発事故後の新装版。文庫版の帯に書かれているのは『今だからわかる、この小説の凄さが』。

・いや、この本すごいわ。

・著者の長井氏は本作で江戸川乱歩賞を最年長で受賞しています。
・約30年前の作品なのに、現在問題になっている原発作業員の下請け問題とか、杜撰な作業員管理、電力会社の隠蔽体質とマスコミへの圧力、それに屈するマスコミとかが既に描かれている。
・原子力発電所用語がスラスラ理解できてしまう自分が少し切ない。ほんとはこんな知識は必要ないのに。

・日本の原子力事業は、大事故(チェルノブイリ、東海村JCOなど)があったのに、この30年間変わっていなかったのだ、ということがわかる一冊。ぜひご一読を。

新装版 原子炉の蟹 (講談社文庫)

新装版 原子炉の蟹 (講談社文庫)

  • 作者: 長井 彬
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/11/15
  • メディア: 文庫



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