SSブログ

『パーク・ライフ』を読んだ [読書]

・吉田修一著。
・表題作含む2編

『パーク・ライフ』
・第127回芥川賞受賞作。
・地下鉄で間違って声をかけた人と偶然日比谷公園で再会した。僕は互いに出て行ってしまった知人夫婦の家で、猿のラガーフェルドを世話する名目で暮らし、実際の自宅は上京している母が泊まっている。なんでもないことを彼女と話し、眠れない日は夜の散歩をし、僕は毎日を過ごしている。
・何も起きない。描写が丁寧で、共感できるところもあり、文章が上手だなぁ、さすが芥川賞受賞作は違うなぁ、と思うんだけど、何も起きない。映画『マザーウォーター』くらい、なにも起きない。誰も声を荒らげることもないし、死んだり、殺したりすることもない。
・登場人物全員、互いの距離感を測りかねていて、不器用に暮らしてる、そんな人々の作品。
・面白かったけど、ちょっと短過ぎやしませんかね。

『flowers』
・九州から、妻にせがまれ上京し、清涼飲料水の自販機補充作業員として暮らす僕。妻は劇団に入ってよくわからないながらも充実しているらしい。仕事を教えてくれる先輩の家に行くとそこには床の間といけ花。僕も九州にいた事祖母の見よう見まねでいけ花をやっていた。ある日先輩の家に行くと、別の同僚の奥さんがいて。。。
吉田修一作品は『パレード』でも思ったんだけど、暴力が突然始まる。斜め後ろから突然襲い掛かられるよう。なんの準備もさせずに読まされるから、『ヒエッ』となって、本を手放してしまいそうになる。
・こんな感想を書くと、この突然さ加減がいくらか和らいでしまう気もする。申し訳ありません。

二編とも面白かった。


パーク・ライフ (文春文庫)

パーク・ライフ (文春文庫)

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 文庫



パーク・ライフ (文春文庫)

パーク・ライフ (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/10/10
  • メディア: Kindle版



nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました