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『平面いぬ。』を読んだ [読書]

乙一著。全4編の短編集。
・『GOTH』シリーズで何度も叙述トリックに騙されたので、身構えて読んでしまった。どんでん返しは、まあまああるけど、そんなに目を皿のようにして読む必要も、ない。

『石ノ目』
・その女の目を見ると石になってしまうという、メドゥーサ伝説のような伝承がある村。わたしと同僚は山に入り、そこで道に迷い、怪我をしてしまった。気がつくと運ばれていたのは山中の、電気も通っていないような古い家。そこにはまるで生きながら石になったような、リアルな石像が何体も。。。
・『まんが日本昔ばなし』のような、ホラーだ。市原悦子氏の朗読で聞きたい。
・怖い、面白い。

『はじめ』
・学校で飼育していたウサギを殺してしまった僕らは架空の『はじめ』という少女を犯人に仕立て上げ、先生の追求を免れた。『ウサギ殺しのはじめ』の噂は街中に広がり、ディテールを創作していくうちに、いつのまにか僕らは存在しない『はじめ』の幻覚を共有するようになった。。。
・ほんわかハートウォーミング不気味ストーリー。

『BLUE』
・とても手触りの良い布地で作られた人形は、やがて意思を持って動くようになった。余り布で作られた不格好な人形はその生地の色から"ブルー"と人形の中では呼ばれていた。ある日人形たちはある少女の家に売られていった。。。
・不気味なような、ハートウォーミングなような。
・ブルーが最後の最後まで健気で切なかった。

『平面いぬ。』
・友人の親が経営するタトゥーショップで犬の刺青を入れてもらった鈴木さん。ある日その犬の刺青が鈴木さんの体を駆け回っていることに気がついた。一方鈴木さんの両親と弟が揃って癌に冒されていることが判明して。。。
・表題作。
・これ、一番好きだ。置かれた状況が壮絶な割に淡々としているようで、でもちゃんと女子高生な主人公の描写がいい。
・こういう結末かな、という結末に落ち着いて、『よし、yogiさんもどうやら乙一のオチを読めるようになったぞ』と思ったのですが、鈴木さんの名前のくだりまではわからなかった。yogiさんもまだまだです。


平面いぬ。 (集英社文庫)

平面いぬ。 (集英社文庫)

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫



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  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/06/20
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