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『パンク侍、斬られて候』を観た [映画]

素浪人にして稀代の剣客(自称)、掛十之進(綾野剛)は巷に流行る邪教集団『腹ふり党』の残党が黒和藩に迫っていると吹聴し、藩家老内藤帯刀(豊川悦司)に取り入る。内藤は腹ふり党問題を利用し同じ家老の大浦主膳(國村隼)を閑職(猿回しをするさるまわ奉行)に追いやることに成功した。後日調査の結果、実は腹ふり党は既に壊滅していたことが発覚。存在しない腹ふり党に踊らされたと思われては困ると内藤は『腹ふり党でっち上げプロジェクト(HDP)』を密かに掛らに指示。旧腹ふり党の幹部茶山半郎(浅野忠信)を焚き付け、ネオ腹ふり党ムーブメントを起こすことに成功した。
『この世、宇宙は巨大な蟯虫の中であり、何をやっても意味がない。腹をふって反吐を出し、解脱するのだ』というネオ腹ふり党の思想に共鳴した民衆は数千人に膨れ上がり、村、町を襲い、そこでも信者を増やし、果ては黒和城を占拠し焼き討ちにしてしまった。黒和藩全員が大浦の猿回しを見物に遠出している隙の大騒動に藩主黒和直仁(東出昌大)は主戦論を主張する掛に共鳴するも多勢に無勢。策に窮した黒和藩に手を貸したのはなんと言葉を理解し、喋る猿・大臼延珍(でうすのぶうず、永瀬正敏)であった。国中の猿を集めネオ腹ふり党制圧に力を貸す代わりに士分に取り立ててほしいと言う大臼。ここに『腹をふる無数の馬鹿vs全国から集った無数の猿軍団』という構図が完成した。熾烈を極める戦いの果て、果たして全員の運命は。。。

・あらすじ長めに書いたんですけどね、これ、ある程度予備知識を蓄えてから観たほうがいいと思うんですよね。

・蓋し、正論!!
・腹ふり党でっち上げプロジェクト(HDP)のあたりは、北川景子さんの夫へのリスペクトなんだろうか。
・『ここで出会えと私が言い、隣で耳をそばだてていた家臣が現れお前は哀れ切り刻まれる。。。』の件、何かに似てるなぁ、と思ったら『オデッセイ』の『残業手当だけで頭が痛い』の件だった。

空から降る一億の猿!
北川景子さんのセクシー腹ふりダンスが見られただけで満足です。
・阿鼻叫喚なストーリーだ。いっそ猿と人間の爆裂シーンは花火でぼかすんじゃなくって、北斗の拳みたいにちゃんとあべし表現しちゃえばよかったのに。でもそうなるとレイティングが変わっちゃうのかな。
・『反戦デモも音楽フェスも、特に考えもなく盛り上がればオッケー(はぁと)な人たちにとっては同じこと』
・でもきちんとオチはつけているし良いのではないでしょうか。

・ナレーションが永瀬正敏氏なので、『言葉を理解する大臼、或いは猿族が密かに人間の生活を眺めている』という作品とも捉えることができそうです。

・すべての出演者が名演、怪演。パートパートは非常に面白いのに、組み上げたら、むぅ、という最後。きちんとパーツは揃っているのに全体で見ると違和感を覚える、福笑いのような作品。

・積極的に映画を考察しないと『わけわからん』で終わってしまう映画。観る側に積極性が求められます。


パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

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  • 作者: 町田 康
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/10/01
  • メディア: 文庫



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