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『仁義なき宅配』を読んだ [読書]

・横田増生著

・2015年頃までの宅配便業界を、主にヤマト運輸、佐川急便、日本郵便について書いている。それぞれの成り立ち、現在の立場と問題点などを多くの資料と潜入取材によってあぶり出す。

・タイトルに惹かれた。名付けが秀逸。

・筆者は佐川急便の長距離トラックに乗ったりヤマト運輸のクロノゲートでアルバイトしたり、かなり体を張っていて感心する。取材拒否されて、それならばとクロノゲートでアルバイトする横田氏。それがヤマト運輸広報に知られると『まぁ、さまざまなルートで取材しています』と涼しく答える件が痛快。
・つい先日も、改姓までしてユニクロにアルバイトとして長期潜入取材している。これもまた本になるのかな。

週刊文春のユニクロ潜入取材レポが「ガチ」と話題に ユニクロから訴えられたジャーナリストが改名してバイトしてみた(ねとらぼ)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1611/30/news142.html

ユニクロに1年潜入取材してみた!(週刊文春web)
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/6837

・そういえば佐川急便事件(1992年)とか、クロネコヤマトクール宅急便常温仕分け事件(2013年)とか、日本郵便とペリカン便統合に伴う遅配・大混乱事件(2010年)とかあったなぁ。宅配業界の事件は大抵記述されている。
・最近も佐川急便駐車違反身代わり出頭事件があった。

・yogiさんはヨドバシ・ドット・コムのエクストリームサービス、アマゾン・ドット・コムの当日お急ぎ便などの行き過ぎた配送サービスに対して少し引いてしまっている。ここまでしてくれなくていいのに、と。当日どうしても必要であれば買いに行きますから、と。

仁義なき、熱いアマゾンの押し付け合い。すべての業者がそっぽを向いたら、アマゾンはどうするんだろう。プライムサービスをやめるのか、自社網を作るのか。なんとなく自社配送網を作る気がする。どこかを吸収して。

・今日の送料無料、当日・翌日配送、2時間毎の時間指定などという恐ろしく便利なサービスは、配送業者の超・超過労働とサービス残業、安価な外国人アルバイトによって成り立っている。恐らく労基が是正命令を出した瞬間に終了するような、砂上の楼閣のようなものだ。yogiさんは現在の過剰サービスは早晩終焉を迎えると思っている。

・非常に興味深い、面白い本だった。


仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン

仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン

  • 作者: 横田 増生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/09/02
  • メディア: 単行本



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